2004
01.23

STORY 09 : england

1987年、29才の時だった事務所をたたみロンドンに旅発った。
目的は語学留学、それでビザを1年間取った。
場所はどこでも良かったが前年にイングランド出身のモデルに会ったことや行ったことがなかったという理由でイギリスになった気がする。前日まで撮影をこなし飛行機を四度乗り継ぎ明くる日には学生になっていた。写真は当時の地下鉄とバスのパス、トラベルカードというもの。

It’s Better to Travel / SWING OUT SISTER (1987)
イギリス出身の彼等のこのアルバムの中に納められているBreakoutが巷に流れたのはちょうどロンドンに居るときだった。ちょっと元気なこの歌だが夜明け前の静まった街並みに溶け込み、これからのこの国や自分自身に呼びかけるような曲に感じた。
You’ve got to find a way, Say what you want to say, Breakout

ロンドンを選択したのは僕にとっては正解だったようだ。
英語圏ではアメリカしか知らず、アメリカではそのものが世界でありそこで完結していた。しかしそこは経済の中心地かも知れないが世界の中心ではなかった。ロンドンでは集まる学生達もバラエティに富み新しい発見がいくつもあった、そしてイギリス人の質素な暮らしに本当の強さと豊かさを知った。

Love Songs / THE BEATLES (1977)
初夏の頃、車を借りてイギリス一周の旅に出た。途中、リバプールにあるビートルズショップでこのテープを買った。それをカーステレオで繰り返し聞きながら旅を続けた。アップダウンのある曲がりくねった道は楽しく快適だった。この音楽達がこれほど景色に似合うのは当然なんだろう。

Cafe Bleu / THE STYLE COUNCIL (1984)
ポールウェラー率いる人気パンクバンドのJAMを解散して彼が次に始めたのがこのスタイルカウンシル。ジャンルを越えたお洒落なサウンドはイギリス人ならではのものだ思う。彼等のレコードジャケット写真やプロモーションフィルムはその後の僕の作風にかなりの影響を及ぼした。


もうあれからかなりの年月が経ったが最近の事のように感じる。この渡英が僕のターニングポイントになったし世界観が変わり地球のサイズが判った。勿論その後の仕事にも影響を与え外国人との撮影も増えた。語学だけでは不可能な国際的なマインドを持ちえたことで、全ての物事に対し選択肢が広がったのが一番の収穫だったように思う。
写真は住んでいたTurnham Greenのフラット、一番上の部屋に居た。

僕はこの渡英以降イギリスには足を踏み入れていない。
なぜかはよく判らないが復活の聖地としてあの頃の自分を閉じこめておきたいのかも知れない。それほどの影響と収穫を未だに与えてくれている所だというのは間違いない。あれが昔のことのように感じる時が来たらいつか訪れて見ようと思うが、まだ当分先になりそうだ。

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