2004
05.05

STORY 12 : bahamas_1

1983年にバハマに旅をした。この時の訪問が最初で最後になりそうだが何とも忘れられないところでもだった。旅立つ動機になったのはカリブ海という言葉の響きと、何かの雑誌で読んだピンクサンドビーチの記事に興味を持ったからだ。
バハマは諸島からなる国でいくつもの島々が連なっている。僕が行ったのはこの中の二つの島、首都ナッソウがあるニュープロビデンス島とピンクサンドビーチがあるというエリューセラ島。どちらも当時の日本には明細な地図はなく、行き当たりばったりの旅となる。

The Greatest Sweet People / SWEET PEOPLE (1983)
海の波の音、小鳥の鳴き声が聞こえてきたら爽やかなコーラスが始まる。今でいう癒し系音楽、南国のホテルのバルコニーで聞くには騒がしくなくてちょうど良い感じだ、インストなのがまた心地よい。このジャケット写真は僕がバハマで撮ったもの、夕暮れ前の一瞬で黒人ばかりに囲まれ随分遠くにまで来てしまったなと思いながらシャッターを切っていたのを思い出す。

僕はニューヨークからパンアメリカンエアーでナッソウに入った。上空から見たバハマ諸島はまさに海流の島々といった感じで美しいものだった。
空港に着いてまずレンタカー屋を探しやっと地図を手に入れる、そこで借りた車は今にも壊れそうな年代物の緑色のビートルだった、まあ、それはそれで気分は盛り上がったのだが、さっそくエンジンをバタバタさせながら島を廻ると、そこはパステルカラーの国だった、特にピンクの建物が目立ち役場、警察署など公共的なものは皆そうだった。

Compass Point Studio (1983)
この国のことは何も情報は持っていなかったが一つだけ知っている事があった。
ここにはコンパスポイントスタジオという録音スタジオがあることだ。
当時先端の数々のミュージシャンが使用したことで有名、トムトムクラブ、ブライアン・フェリー、ポリス、ボブ・マーレー など競って使っていたようだ。
きっと良いエンジニアが居たのだろうと想像できる

人々は人なつこく東洋人は僕一人だった、それが幸か不幸かどこへ行っても大勢の人達に取り囲まれる。またそこから逃げ出すのが大変で、写真を撮るどころではない状況。それはダウンタウンに取ったホテルでも続き、眠れなかったのを覚えている。一見南国の楽園のように見えるこの国だが決して治安の良いところではなく、あとで知ったのだが通常の訪問者は現地人が入れないエリアに泊まっていたようだ。だといっても他は高級リゾートホテルばかりで僕が泊まれるような所は無かったのだが。

You’ve Got The Power / Third World (1982)
ボブ・マーレーがいたアイランドレーベルがコンパスポイントスタジオを使い始めたようだ。アイランドレーベルといえばイギリスのレーベルでReggaeミュージックで有名、アイランドがザ・ウェイラーズに続いて注目したのがこのサードワールドで日本ではこのアルバムでブレイクし大ヒットとなった。スピード感がある一曲目Try Jah Love が ReggaeのようでReggaeじゃない不思議な感じでナイスだ。作詞作曲はスティービーワンダー、この時はもう彼等はアイランドを離れていた。

ナッソウに数日滞在後バハマスエアーにてエリューセラ島に向かった。バス停のような小さな空港に到着し数人が降りた。その人達がそれぞれの場所に向かうと、売店のような空港の窓口はシャッターが降り一瞬にしてそこからは人の気配が消えた。周りには町の気配もなく店や家も無い、歩きだすにも方向も判らずどこへ行けばよいのか、一人そこに取り残され途方にくれた。
(次回 bahamas_2につづく)

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