2003
03.10

STORY 03 : pch

カリフォルニアには海岸線沿いをはしるPCHという道がある
パシフィックコーストハイウェイの略なのだが高い所を走っているわけではない。
正確にはどこからどこまでかは知らないけど僕は幾度も幾度も通っている
通っていると言うよりもその道自体を目的にいっているような気がする
走る度に新しい発見があり、メキシコ国境からサンフランシスコまでの海岸はずっと僕の記憶に留まっている、僕にとって正にPCHがカリフォルニアのひとつの象徴だ。

Leon Ware / LEON WARE (1982)
PCHにジャストフィットなアルバム、僕がイメージするカリフォルニアはこんな感じ。現実の世界はアルバートハモンドのカリフォルニアの青い空てな感じにはほど遠く人種が入り交じりそこに居る理由は様々で、境界線ははっきりと分かれている。その中でも何か答えを求めて人々は走り続けるが、振り切るものを捨てきらないと堂々巡りでいくら走っても夜明けは遠い。そんな時にこんな音が聞こえてくる。

Towailight Cruisin’ on PCH
黄昏時の海岸線はいつもセンチメンタルな気分にさせられ 遠くに来たことを振りかえってしまうそんなひとときだ。
何の為に何を求めてここまで来たのか、この道は間違っていないのか。旅は戻ることも出来るが、人生の旅路では振り返られても戻れない。そんな感傷的な気持ちになっているとカーラジオからあのサックスの音色が聞こえてきたりする、もう何とも言えない。

No Fun Aloud / GLENN FREY (1982)
あのサックスとは、2曲目のThe one you love(邦題は恋人)でのアーニーワッツのプレイ、寂しげだがエキゾチックな美しい音色。
異国の夜空の下なんかで聴くと嫌でも郷愁が漂ってくる。
グレンフライはイーグルスの解散と同時期にこの楽曲を発表した、
一つの時代の終焉にふさわしいバラードだ。

調べてみるとこの道は北はサンフランシスコの少し上の町から金門橋を抜けて南はサンディエゴの手前ダナポイント辺りらしい。1000km近い長い海岸線を走るPCHなので北部と南部ではだいぶ表情は異なる。僕は北から降りてくる方が海側の車線を走るせいか何となく好きで、逆にサンフランシスコ方面に向かうときは内陸部のできるだけ細い道を選び、再び海岸線を下って帰ってくるなんていうことを繰り返している 。
大きな街を結ぶ動脈は他に幾つかあるので海岸線沿いを走るこの道は輸送には適さず交通量は少ない。時より高速道路の101との合流もあるが、基本的には生活道路の様相で所々点在する町を繋いでいる。しかしいずれも小さな町々だが、どこも個性的で町の売りを全面にだし訪問者にアピールしてくるこんなに走るだけで嬉しくなる道は、そんなに多くはないだろう 。

I’ve Never Been to Me / CHARLENE (1976)-(1982)
1曲目の”愛はかげろうのように”(邦題)がカリフォルニアを彷徨っている感じがでている。録音から6年経って忘れられた頃、陽の目を見たというのがまたいい。この時代になりこの歌が必要になった人が増えたのかもしれない。爽やかな歌声に反して歌詞がハードだがサビのフレーズをちょっと訳すとこんな風 I’ve been to paradise But I’ve never been to me (パラダイスに行ってみたけれど、本当の自分には出会えなかった)

Pacific Coast Highway California State Route 1
街を少し離れると車の通りも少なく歩く人はいない、常に明るいイメージのカリフォルニアなのだが現実は厳しく孤独感を強く感じさせる。強い陽射しに対して風は冷たく乾いて、夏を避ければ静けさがどこまでも続く。そんな中でも冷たい海流と熱された空気とが引き起こす朝モヤは僕には幻想的な風景に見え、夢の世界が現れた気分にさせてくれる。

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