2004
07.27

STORY 15 : across america

1985年初夏、アメリカ合衆国横断の旅にでた。
もう数回アメリカには来ていたが横断するのは初めてだった。取りあえず横断することだけ考えてコースやスケジュールは決めずにいた。決まっていたのは滞在一ヶ月の間にサンフランシスコで車を借り、その3週間後ニューヨークのダウンタウンにある営業所にガスを満タンにしてそれを返すことだけだった。

I’m the One / Roberta Flack (1982)
今回はしっとりとした夏の夜に似合う女性R&B、JAZZシンガー達を紹介しよう。
最初はこのロバータ・フラック、何とも言えない心地よい歌声。1973年に出した”やさしく歌って”が大ヒットし知られるようになり、数々のアルバムを発表しているが、このアルバムは軽快なノリといいかなりAOR的でベストな一枚。サックスにはグローバーワシントンJr.が使われ、全体の完成度が高く、永年のお気に入り。

とにかく長い車の旅は始まった、サンフランシスコの坂道で運転を慣らし海岸線沿いを南下した。メキシコ国境近くのサンディエゴまで海沿いを行き、そこからサンベルトと呼ばれる地帯を蛇行しながら東に向かった。広大な景色の中アクセルは踏みっぱなし、毎日相当な距離を走る。当時はハイウェイのスピードリミットがオイルショックの頃より時速55マイル(90kmぐらい)で低く抑えられ連日のようにスピード違反で捕まる、そんなことを繰り返し中西部を走り抜けた。

Rand McNally the Road Atlas United States
多分、誰もがアメリカを車で旅をするときにお世話になるはず。毎年発行されサイズはA3のひとまわり小さめで140ページ程のもの。日本円で千円程、全ての州が網羅され分かり易い索引もあり巻末にはトラベル用のクーポン券がどっさりと付いてくる。
半分程度の持ち運びやすいサイズもあり、勿論州ごとの一枚物の地図もある。夜、モーテルのベッドのうえで通ったルートを蛍光ペンなんかでなぞっていくとこれから先の道順を考えワクワクした。次第に使い込んでボロボロになった地図は旅での最高の思い出の品となる。

Niecy /DENIECE WILLIAMS (1982)
このアルバムに収められているIt’s gonna take a miracleという曲は、82年初めてアメリカに行った時ラジオからよく流れていた。初めての海外で感動していたのでずっとIt’s gonna take americaと思って聞いていたのが笑ってしまう様な思い出深い曲。こんな空耳みたいな話とは別にしても凄く良い曲で是非聞いてほしい。オリジナルは65年のロイヤレッツのデビュー作。

ハイウェイをニューオリンズに向かって飛ばしているとすぐ手前の町でまたポリスカーに止められた。今度はテレビカメラマンも付いていたので交通犯罪現場のイヤな所を撮られるのかと思っていたら腹は空いてないかと聞かれ無理矢理どこかに連れて行こうとする。訳もわからず付いていくとそこはパーティ会場でいきなりの祝福をうける。なんでも一番遠くからのナンバーの客を招待する企画らしく偶然にも言葉もよくわからない遠い異国からの客で会場は沸き上がっていた。
その町はフロッグ(蛙)競技で有名で丁度それに居合わせてしまったと言うわけだ。お土産を持たされ名誉市民に任命され証書を受け取りやっとその場は終わった。その始終は夜のニュースに流され笑い物になっているだろうがニューオリンズでは流れないというので見ていない。

The Frog Capital of the World / Rayne Louisiana
ニューオリンズの西150マイルに位置するこの小さな町はカエルのジャンピングコンテストが盛んらしい。数日かけてこのカエル祭りが繰り広げられる。先を急いでいたのでそれを見なかったのは残念だったが、本当は恥ずかしくその場を早く過ぎ去りたかったのかも知れない。
帰り際に何やら紙袋一杯の贈呈品を貰った、中身はこの町の商店などの備品やグッズのようなものばかり。この灰皿はその時のもの、今でも
毎日愛用している。という事はこれが一番まともな品だったのか…

New York State Of Mind / ANN BURTON (1979)
アン・バートンはオランダのジャズボーカリスト。タイトルとなったNew York State Of Mindのオリジナルはビリージョエル。でもそれとは全く雰囲気は変わりぐっとスローになって正にニューヨークの夜のイメージだ。ニューヨークへの想いを歌った曲だが歌詞にはアメリカの名物が出てきて旅情が感じられる。アルバム全体がしっとりしていて、聴く者を都会の夜へと誘う。プロデュースはあのヘレンメリルだ。

フロリダ州に入りアリゲーターハイウェイを抜け一気にアメリカ本土最南端のキーウエストへ。そこからはニューヨークまで北上するだけだが今までとは違い古い町が連なりペースは落ちた。最後は夕暮れ時のブルックリンブリッジを渡ってマンハッタンに入る。長い旅の終わりに橋の上から見るマゼンタ色に染まる摩天楼は何とも言えない感動のひと時だ。新車だったルノーは6000マイル(9600km)近く走りかなりくたびれ、最初の横断の旅は終わった。

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